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終わりの季

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終わりの季 冥界からの迎え

 

レミリアは驚いていた、全てを貫く神槍が相手を貫かなかった。

射抜いたはずの相手は地面に伏せているが、射抜かれた様子は無い。

見ると数匹の蝶が舞っていた。わずかにずれた気がしたのはコイツの所為か

「何者だ?」

紅い館には似つかわしくない青が基調の美しい着物を着た女がフワリと降り立った。

やわらかな動きや雰囲気からは想像もできない程の力を感じ先客以上の臨戦態勢をとる。

「家の者がご迷惑をお掛けした様で、申し訳ありません。」

殺気はまるで感じ無いのに自分を覆うこの「死の気配」はなんだろう。

「人の家に土足で踏み入るとはイイ度胸ね。殺すよ?」

自分の言葉が聞こえているかわからないが、女は倒れた剣士を抱き上げた。

「私は地に足がついておりません故、土足で踏み入ることはしませんわ。」

くすりと笑い、「では」と帰ろうとした。

まるで自分が場違いな場所に居る気分になる。ここは私の館だというのに。

待て!! と私は叫んだ。

なにか―――と、相手の振り向きざまに槍を放つ。

先刻と同じではなかった。まっすぐに女を貫きドアを吹き飛ばした。

立ち込める煙、先ほどまであった「死の気配」は失せ、静まり返っていた。

徐々に収まっていく煙の中、ふと気がつく。

「そういえばずっと血の匂いはしなかった。どうしてかしら?」

 

 

紅い館から一匹の蝶が空に向かって昇っていく。

その時だけは紅い霧は止み、美しい朝日と共に嬉しそうに天に昇っていったと言う。

其の後数日間、紅い霧は出続けたが幻想郷に夏が戻ったのはそのすぐ後だった。

 

 

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背景、描きますそのうちにかならず。!! 
そのうちとか安易はダメ!!冬まで!!・・・(ウェブ拍手) 
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