書記 始季 前季 一季/二季/三季/四季/五季 /六季 /七季 終季 後季 来季

第七季

1 2

 

 

第七季       白い帰路


今にも蝉の声が聞こえてきそうな日差し、合間を縫って吹きぬける風が心地よい。

気がつくとそこは見慣れた自分の部屋だった。

手が冷たい・・・そこには濡れた手ぬぐいが落ちていた。

そうか、私は悪魔に敗れたのか・・・

何も問題を解決しないままここまで・・・どうやって帰ってきたのだろう?

半身が幽霊である自分、人間は死ねば冥界へ行き、幽霊がさらに死んでしまえば無に帰る。

「夢・・・?」

私は振り返り部屋を出ようとした、振り向いたときには幽々子様がそこに居た。

私は――話すのを遮り、幽々子様は微笑んだ。

外を見て御覧なさい、風を感じないかしら?

いつもは強すぎる日差しも今日は心地よく感じないかしら?

窓に近づき、大きく深呼吸をする。

 

おかえり、妖夢。

 

...
...
...